Amazonベーシックのモニターアームのレビュー記事です。種類は3種類あり、「シングル-ディスプレイタイプ」をレビューします。
Amazonベーシックのモニターアーム
- シングル-ディスプレイタイプ
- シングル-壁掛けタイプ
- デュアル-ディスプレイタイプ
Amazonベーシックのモニターアームはエルゴトロン(LXデスクマウント モニターアーム)のOEM製品と言われています。エルゴトロンがAmazonベーシックの製品を製造しているため、品質が高いです。ASUSのVG245Hというゲーミングモニターを取り付けるために使用しました。「品質が高いモニターアームをお得に購入したい!」という人に向いていると思います。
モニターアームを開封
Amazon Basicsの箱に入った状態で届きました。
「モニターアームを梱包するための箱」のようなものは無いようです。箱を開けたらパーツが見える状態でした。Amazonベーシックのマウスパッドを購入した時は、専用の箱がありました。Amazonベーシックは商品の種類によって箱があるもの・無いものがあるようです。
モニターアームのパーツは重く(約4kg)、箱を開封する作業が1回で済むため合理的だと思います。段ボールの中に専用の箱が入っていたら、「箱を開ける→箱を取り出す→箱を開ける→組み立て」と組み立てるまでの工程が多いです。無駄な作業・コストを削減している点が良いと思います。
内容物一覧
箱から内容物を取り出しました。土台・アームのような大きなパーツとボルトなどの小さなパーツが入っています。
説明書は日本語に対応しています。図で解説されているため分かりやすいです。
下の画像のように組み立てます。
使用したパーツは黄色のマーカーで記したものです。
- 上部アーム
- 下部アーム
- 土台
- グロメットブラケット
- ブラケットカバー
- 蝶ナット
- モニターとモニターアームを結合する10mmノブ(4個)
- 10mmねじ(4個)
- 6mmねじ
- 4mmアレンレンチ
- 2.5mmアレンレンチ
- ケーブル紐(2個)
- 説明書
モニターとモニターアームを固定する際に使用するねじは「10mmノブ」または「10mmねじ」を使用します。手回しで固定したい場合は「10mmノブ」、ドライバーでしっかりと固定したい場合は「10mmねじ」がおすすめです。私は手回しで固定しましたが、ガタ付きなどの不具合はありませんでした。
組み立ての手順
モニターにスタンドがついている場合はドライバーでねじを回し、スタンドとモニターに分解します。
組み立ては5つの工程で行います。基本的には、付属の六角レンチのみで組み立てられます。土台は机の天板を挟むようにして固定します。購入時、取り付ける机の天板の厚さが12~35mmを想定した位置に設定されています。このモニターアームは天板の厚さが60mmまで対応しています。
天板の厚さによってパーツの位置を変更します。
- 机に土台を取り付ける
- 土台に下部アームを取り付ける
- モニターの背面に上部アームを取り付ける(「10mmノブ」または「10mmねじ」で固定)
- モニターを取り付けた上部アームを下部アームに取り付ける
- 上部アームの根元(ヒンジの部分)にキャップ(ブラケットカバー)を取り付ける
工具が必要な場合
工具が必要になる場合が3つあります。プラスドライバー(カラーボックスを組み立てるときに使用するようなもの)があれば、組み立てられます。
- 机に穴が空いている場合:穴にボルトを通して固定できます。土台のパーツを交換する必要があるため、分解・取り付けの際にドライバーを使用します。
- 天板の厚さが10mm以下、または37~60mmの場合:土台のパーツの位置を変更する際にドライバーを使用します。
- モニターアームとモニターを10mmねじで固定する場合
購入時、モニターの向きを変えることができません。上部アームの2箇所のボルトを緩める(左にたくさん回転)とモニターの「高さの変更」「角度の変更」ができます。
高さを変更する場合、上部アームのモニター側のボルトを緩めます。
モニターの角度(上下)を変更する場合、上部アームとモニターの間のボルト(机側)を緩めます。
付属の4mmアレンレンチ(T字の六角レンチ)で回します。「緩めすぎじゃないか?」と思う段階で片手で力を入れてモニターの位置を調整できる程度でした。何度も回すとディスプレイを付けた状態で片手でモニターを上下に動かせる程度には軽くなります。角度を変える場合は両手で軽く力を入れると傾きを変えられます。
土台と下部アーム・下部アームと上部アームのヒンジ部分はボルトを右に回すことで硬くできます。モニターの重量があるため、「勝手に動く」という心配がない部分です。こちらは調整しなくても良いと思います。
アームを折りたたむと、コンパクトになります。下の画像はモニターを上からみた様子です。
コードを隠せる機能
上部モニターアーム・下部モニターアームにそれぞれHDMIケーブルなどのコードを収納できます。上部モニターアームはケーブル紐(結束バンド)を引っ掛けることで配線を収納できます。モニターを変更する際、ケーブルが変わることがあっても100均の結束バンドなどで代用できます。
下部アームは下の画像の部分をつまむことで分解できます。
分解するとアームとフタの間にケーブルを収納できます。
スペックについて
スペックをまとめました。
- 土台のサイズ(机の上の部分):155×110×13mm
- 重量:3.54kg
- 荷重範囲:3.1~9.1kg
- スクリーンサイズ:24インチまで
- 調整できる範囲(24インチのモニターの場合):モニター下部が机に着く〜天板から約26cmの高さ
- 81cm以下のほとんど全てのモニターで使用可能
- 最もコンパクトな状態(上から見たら上部アームと下部アームが重なる位置)〜机の奥から約70cm手前まで可動(モニターの高さによる)
画面の角度調整について
画面の角度調整は下図参照。画面の向きや角度を調整できます。角度調整はエルゴトロン「LX デスクマウントモニターアーム 45-241-026」やHP「シングルモニターアーム BT861AA」と同様です。
OEM製品について
「OEM」とは(Original Equipment Manufacturing)の略語です。直訳すると「相手先商標製造」です。Amazonベーシックのモニターアームの場合、「エルゴトロン(製造メーカー)がAmazonベーシック(相手先ブランド)の商品としてモニターアームを製造する」という意味です。
メリット
- コスト削減
- 在庫を持つリスクを回避
- 生産が追いつかなくなるリスクを回避
デメリット
- 製造を依頼しているメーカーがなくなると(倒産など)、依頼した商品を販売できなくなる(製造が追いつかない)
消費者としては、「良い物を安く購入できる」というメリットがあります。HPでもエルゴトロンのOEM製品を扱っています。価格や性能を比較しました。
販売元 | エルゴトロン | Amazon Basics | HP |
価格 | ¥13,980 | ¥11,980 | ¥13,980 |
耐荷重 | 3.2-11.3kg | 2.3-11.3kg | 3.1-9.1kg |
スクリーンサイズ | 32インチまで | 32インチまで | 24インチまで |
VESA規格 | MIS-D | MIS-D | MIS-D |
保証期間 | 10年 | 1年 | 1年 |
色 | シルバー/ホワイト/ブラック | ブラック | ブラック |
昇降範囲 | 33cm |
VESA規格はモニターとモニターアームを取り付ける部分(モニター背面に空いている穴の距離)の規格です。MIS-Dは「75×75/100×100mm」に対応しています。
実際に使用した感想
使用している状況
ゲーミングモニター兼PCモニターとして使用しています。ゲームはFPSをすることが多く、アンプなどの周辺機器をたくさん使用します。台座がコンパクトなため、机の上が広く使えます。コントローラーでプレイする際にキーボードを奥まで移動できます。モニターアームが天板から20cm以上離すことができ、画面の中心を目線の高さ付近まで画面を持ち上げられます。視線が上がることで楽な姿勢でゲームやパソコンの作業ができると感じました。
使用して感じたメリット
高さ調整できるモニターよりも動かせる範囲が広い
私が使用しているモニター(ASUS VG245H)は高さ調整が可能ですが、調整範囲は約15cmでした。Amazonベーシックのモニターアームを使用すると高さの調整範囲が約26cmあり、約10cmの差が大きく違うと感じました。
台座がコンパクト
「台座が小さい」という点が良いと感じました。一般的なモニターに付属している台座は大きく、机の上では邪魔になると感じていました。また、台座の中心に脚があるモニターは脚の後ろのスペースが無駄です。「机の上を広く使いたい!」という方におすすめです。
モニター周りの配線が隠せる
配線に関しては「気にする人」、「気にしない人」に分かれると思います。私の場合、ゲームの途中(ロード中など)に画面から視線を外した時に「コードが多く見える」という状況が不快に感じます。モニターアームにモニター関係のコードを収納できるため、「少しでも配線を見えなくしたい!」という人には嬉しいポイントだと感じました。
台座を取り付ける位置に注意
台座を取り付ける部分には約5mmの厚さがあります。壁や棚など机の周囲にあるものからスペースが空いてしまいます。
台座を取り付ける位置は基本的に2択だと思います。
- 机の中心:左右に自由に動かせる
- 机の端:台座が邪魔にならず、机の中央付近を広く使える
モニターアームを使用すると、モニターを前後左右・上下に動かせます。周囲にゲーム機の本体やデスクトップPCなどがあると、モニターを動かせる範囲が制限されてしまいます。周囲のデバイスを整理する必要があると感じました。
保証年数に違いはありますが、「低価格で質の高いモニターアームを探している!」という人におすすめです。興味があれば、チェックしてみてください。