HyperXの「Cloud Alpha S」のレビュー記事です。このヘッドセットは人気モデル「Cloud Alpha」の後継機です。「Cloud Alpha(旧型)とCloud Alpha S(新型)のどちらを購入しようか迷っている」「HyperXのヘッドセットに興味がある」という方に読んでいただきたい内容です。
Cloud Alpha S(新型)は、密閉型で側圧が弱めなので着け心地が良いヘッドセットと感じました。また、コードが短いので机の上のミックスアンプに接続、コントローラーに直挿しする時に「コードが邪魔にならない」と感じました。「PC向けのゲーミングヘッドセット」として販売されていますが、ミックスアンプやコントローラーにも接続できます。
HyperXは、メモリやフラッシュを取り扱っている「Kingston」のゲームブランドです。SCARZなど、数多くのプロゲーミングチームのスポンサーをしている人気ブランドです。
1 Cloud Alpha Sを開封!
外箱は白をベースとしており、ヘッドセット・7.1chのUSBサウンドカードが入っていることが分かります。
開封すると、中身は下の画像のように梱包されています。
2 内容物一覧
箱から中身を取り出した様子です。
中身を表にまとめました。
製品名 | Cloud Alpha S | Cloud Alpha |
部品番号 | HX-HSCAS-BL/WW | HX-HSCA=RD/AS |
ヘッドセット | 310g | 298g |
ケーブル(3.5mm4極プラグ) | 1m(着脱不可・音量調整不可) | 1.3m(着脱可・音量調整可・ミュート切替) |
マイク | 15cm | 15cm |
USBオーディオコントロールミキサー | 57g | ー |
4極変換ケーブル | ー | ◯ |
スペアのイヤーパッド | 有り | ー |
トラベルバッグ | 有り | 有り |
取扱説明書 | 日本語対応 | ー |
ヘッドセット自体は以前より約10g重くなりましが、体感では分からない程度の違いだと思います。PCへの接続方法がプラグからUSBに変更され、PC接続時にサラウンドに対応しました。また、Cloud Alpha Sにはスペアのイヤーパッドが付属しています。
2.1 ヘッドセットについて
PUレザーやアルミが使用されており、重そうな見た目です。重さを実際に測定したところ、ヘッドホンのみで312gでした。
マイクを接続すると319gでした。
私の場合は300g以下のヘッドセットが軽く感じるので、「ゲーミングヘッドセットの中では軽い方だが、軽さに特化したものではない」という印象です。すごく軽いわけではありませんが、使用していて「肩や首が凝る」などの不快さを感じない程度の重さです。
Cloud Alphaにはなかった「低音調節スライダー」が左右のイヤーカップの後ろ側に設けられています。「閉じた状態」「1段階開けた状態」「すべて(2つ)開けた状態」の3段階で低音を調整できます。スライドするだけで聞こえ方がまったく違うため、誰が使用しても驚くのではないかと思います。
マイクは着脱可能で、自由に折り曲げられます。風防が付いているため、息が入りにくいです。マイクのミュート切替ができないため、マイクの着脱で行います。また、音量調整ができないため、ゲーム機で音量調整を行う必要があります(Cloud Alphaはマイクのミュート切替、音量調整が可能)。
風防を外すと下の画像のようになっています。
マイクは自由に折り曲げることができます。
ドライバは後頭部側が深くなっているため、耳に当たりにくい形状です(Cloud Alphaは傾斜がなかった)。
イヤーパッドは開封時に「痛くならないだろう」と期待できる縫い目だと感じました。以前、ゼンハイザーのGSP301を購入した際にイヤーパッドの「縫い目のおかげで側圧が強くても痛くなりにくい」と予想していました。
Cloud Alpha Sも同様に耳の周りに当たる部分が縫われているため、変形したり、変なつぶれ方をしにくい形状になっています。
イヤーパッドはPUレザー製のため、見た目に高級感があります。付属のイヤーパッドは布製で、サラサラとした肌触りです。夏場などは、付属のイヤーパッドの方が蒸れにくく、快適に使用できると感じました。2種類のイヤーパッドはどちらも約2.5cmの厚みがあります。側圧が弱めなので潰れにくいですが、「耳の周りが痛くなる」「ドライバに耳が当たって痛くなる」という心配はありません。
PUレザー製のイヤーパッドはモチモチとした低反発の素材のため、指で押した時にゆっくりと元の形状に戻ります。耳の周りにフィットしやすいです。
布製のイヤーパッドはサラサラとしており、素材自体が薄いため、指で押した時にすぐに元の形状に戻ります。中身の「スポンジっぽさ」を感じたため、夏以外であればPUレザーのイヤーパッドをおすすめしたいと思います。
ヘッドパッドは十分な厚みがあり、クッション性があります。HyperXのロゴが刻印されています。
サイズの調整は11段階です。スライダーの内側に丸いくぼみがあり、段階的にカチカチと調整できます。私の場合は最大に近いサイズに調整して使用しますが、他のヘッドセットに比べて最大のサイズが大きいと感じました。
2.2 ケーブルについて
ヘッドセットのケーブルは着脱不可です。私の場合は問題ないと感じていますが、持ち運びをする人にとってはデメリットかもしれません。ケーブル自体は編み込まれており、絡まりにくいです。
先端の端子は3.5mmの4極プラグのため、ゲーム機のコントローラーやミックスアンプなどに接続できます。
USBオーディオミキサーに接続すると、PCで使用時に7.1chのバーチャルサラウンドでFPSなどで重要な「足音」や「銃声」を聞く時に方向が分かりやすくなります。また、音量調整が可能です。
2.3 トラベルバッグについて
幅22.5cm、高さ27cmの薄めの素材です。ヘッドセットを収納してもスペースに余裕があります。
3 スペック・素材について
3.1 スペックについて
マイクの性能が向上しました。
製品名 | Cloud Alpha S | Coud Alpha |
発売日 | 2019/09/23 | 2017/09/21 |
ヘッドホン | ||
接続方法 | 有線 | |
ドライバー | ネオジム磁石、カスタムダイナミック50mm径 | |
タイプ | サーカムオーラル、密閉型 | |
周波数応答 | 13Hz~27kHz | |
インピーダンス | 65Ω | |
音圧レベル | 99dBSPL/mW(1kHz時) | 98dBSPL/mW(1kHz時) |
T.H.D | 1%未満 | |
マイク | ||
方式 | エレクトレットコンデンサーマイク | |
極性パターン | 双指向性、ノイズキャンセリング | ノイズキャンセリング |
周波数応答 | 50Hz-18kHz | |
感度 | -38dBV(0dB=1V/Pa、1kHz時) | -43dBV(0dB=1V/Pa、1kHz) |
3.2 素材について
イヤーパッド | PUレザー |
ヘッドパッド | |
イヤーパッド(スペア) | 布製 |
フレーム | アルミニウム |
イヤーカップ | プラスチック |
各種名称は下の画像を参考にしてください。
4 実際に使用した感想
アルミとPUレザーが使用されているため、見た目に高級感があると感じました。
「コードが短い」という点が良いと感じました。ヘッドセットのコードは2mあるものが多く、「長すぎる」と感じることがあります。Cloud Alpha Sはコードが1mなので机の上のMixAmpに接続する時にちょうど良い長さだと感じました。コントローラーに直挿しする人におすすめしたいポイントです。足元にアンプを置いている人にとっては延長ケーブルが必要となってしまうため、デメリットだと感じると思います。
Cloud Alpha Sの特徴である「低音調節スライダー」を3段階に分けて聴き比べました。
4.1 着け心地について
ヘッドセットの重さが310gとすごく軽いわけではありませんが、肩や首が凝るなどの心配はないと感じました。側圧は弱めでイヤーパッドが厚いです。イヤーパッドがつぶれにくく、長時間使用(6時間くらい)しましたが、耳や耳の周りが痛くなりにくいと感じました。ドライバの後頭部側が深く掘られているため、平らなものよりも耳に当たりにくい形状です。
4.2 音楽を聞いた場合(PCに接続)
低音を強化できる低音調節スライダーが搭載されているため、EDMを聞いてみました。音はクリアに聞こえ、低音が強く聞こえました。低音調整スライダーを閉じた状態、全開にした場合を聴き比べましたが、大きな変化は感じられませんでした。スライダーを調整した直後は「少し低音が大きく聞こえる」と感じましたが、注意深く聴き比べなければ分からない程度の差でした。
4.3 ゲームをプレイした場合-PS4でCall of Duty Modern Warfareをプレイ-
「コントローラーに直挿しした場合」とAstroの「MixAmpに接続した場合」で使用しました。
コントローラーに直挿しした場合
低音調節スライダーを閉じた場合
足音が聞き分けられ、低音が響くと感じました。音が響き、こもったように聞こえるため、聞き取りにくいと感じました。
低音調節スライダーを1段階スライドした場合
足音がスライダーを閉じた状態よりもはっきりと聞こえました。1段階スライドするだけでも「音がこもる」という感覚はかなり解消され、クリアに聞こえました。近距離~中距離の足音が聞き取りやすく、3段階の中では最もバランスよく聞こえると感じました。
低音調節スライダーを全開にした場合
低音が最大に出力される状態です。低音が大きいため、ショットガンやスナイパーなどの発砲時に「ドーン!」「バーン!」と迫力のある音だと感じました。低音に特化しているため、近距離の足音がしっかりと聞こえます。SMGやショットガン、ナイフなどの近距離向きの武器で立ち回る時におすすめです。
MixAmpに接続した場合
低音調節スライダーを閉じた場合
「直挿しした場合」と同様に低音が響き、こもっているように聞こえました。リロード音などの高音が聞き取りやすいと感じました。
低音調節スライダーを1段階スライドした場合
スライダーを閉じた状態よりも低音が響きにくく、「こもった印象」は解消されました。低音も高音もクリアに聞こえました。
低音調節スライダーを全開にした場合
低音がかなり大きく、「うるさい」と感じるほどでした。アンプ側で聞き取りやすいように設定(低音と高音の音量を上げている)しているため、「やりすぎ」と感じるくらい低音が大きく感じました。
「直挿しした場合」、「MixAmpに接続した場合」のどちらも「低音調節スライダーを1段階スライドした場合」が快適にゲームをプレイできると感じました。足音や銃声などの敵の位置・方向が聞き分けやすいヘッドセットだと感じました。また、リロード時の「カシャコン」という鉄と鉄が擦れるような音がきれいに聞こえ、銃が好きな人にはたまらない音だと感じました。
「低音調節スライダー」という新しい機能が武器ごと、ゲームの種類ごとに使い分けができる点が良いと感じました。サウンドにこだわっているRPGなどの作品では、低音を最大にすると迫力のある音を楽しめると思います。
迫力のある音でゲームをしたい人、FPSやRPGなどのいろんなジャンルのゲームをする人、密閉型で着け心地の良いヘッドセットを探している人におすすめです。興味があればチェックしてみてください。
Cloud Alpha(旧型)にはドライバが傾斜しておらず、低音調整スライダーがありません。また、予備のイヤーパッドが付属していません。マイクミュート機能、音量調整がしたい場合はCloud Alphaの方が良いと思います。