Razerから2020年8月18日に日本で新しいゲーミングヘッドセット「BlackShark V2」「BlackShark V2 X」が発売されました。この記事は上位モデル「BlackShark V2」のレビュー記事です。
BLACKSHARK V2の特徴
- 高音・中音・低音がバランスよく聞こえる
- 音がクリアに聞こえる
- サイズ調整の方法が珍しい
- マイクの着脱が可能
- 軽い!(262g)
実際に使用してみて、軽くて疲れにくいと感じました。側圧は弱いため、耳の周りが痛くなりにくいと感じました。
Contents
BLACKSHARK V2を開封
BlackShark V2の外箱です。RAZERの製品らしく、黒と緑を基調としたデザインです。
背面には機能面の説明が記載されています。BlackShark V2には「TRIFORCE チタン50mmドライバー」が採用されています。「TRIFORCE」と名付けられているとおり、3つのドライバーから高音、中音、低音をそれぞれにチューニングされます。
RAZERのKrakenやThresherなどは低音が強いヘッドセットでしたが、BlackShark V2は中音、高音が聞き取りやすくなりました。Krakenなどのヘッドセットと比較すると、高音、中音、低音がバランスよく聞こえるヘッドセットです。
箱を開けると布製の袋にヘッドセットが梱包されています。
袋はヘッドセットが入る大きさで、緑色の紐の巾着袋です。
中身はグレーのクッション性のある袋に梱包されています。
コード類も小分けにして袋に梱包されています。
内容物一覧
中身を取り出した様子です。
中身を表にまとめました。
製品名 | BLACKSHARK V2 |
Amazon価格 | ¥12,980 |
型番 | RZ-04-03230100-R3M1 |
ヘッドセット | 262g |
ケーブル | 1.8m |
USBサウンドカード | 15cm |
取扱説明書 | 日本語対応 |
ヘッドセットについて
ヘッドセットの重量を測定しました。ケーブルの重量を含まないように測定し、マイクなしの状態で251gでした。
マイクを取り付けた状態では263gでした。
BlackShark V2のサイズ調整は左右のイヤーカップを上下に動かして調整します。
イヤーカップを1番下まで下げた様子です。左右それぞれ、約3cmずつ調整できます。最大のサイズはKrakenなどのRazer製のヘッドセットの最大サイズと同じくらいです。
機能面は左のイヤーカップにまとめられています。
ボタン、差し込み口など
- マイクの差し込み口
- ミュート切り替えボタン
- ボリューム調整のダイヤル
ミュート切り替えのボタンは凹んでいる時(緑の部分が見えない時)、ミュートの状態です。飛び出ている時(緑の部分が見える時)はマイクに声が入る状態です。
イヤーカップは上下に約45°回転します。
イヤーカップの上部には穴が空いています。低音がこもりにくくなっています。
イヤーパッドは布製のメッシュ素材です。密閉型のヘッドセットではPUレザー製のイヤーパッドが採用されることが多いです。BlackShark V2では布製のメッシュ素材のため、PUレザーよりも蒸れにくいです。
イヤーパッドの厚さは約2cmです。ヘッドセットのイヤーパッドは2.5cmなど厚みのあるものが多いです。厚みがあるほうがクッション性は高いです。
BlackShark V2は側圧が弱めなので「イヤーパッドを厚くする必要がないのではないか?」と私は考えています。
ヘッドパッドは頭に当たる部分がイヤーパッドと同じ布製のメッシュ素材です。約2cmの厚みがあり、メッシュ素材なので蒸れにくいです。
ヘッドバンドの外側はPUレザー製です。「RAZER」の文字が彫られています。
ケーブルについて
3.5mm4極プラグで接続します。
PS4などのコントローラー、MixAmpなどに接続可能です。長さは約1.8mあるため、家庭用ゲーム機、PCなどで「長さが足りない」ということは起こりにくいです。
マイクについて
マイクの長さは約15cmです。風防が取り付けられているため、息などの雑音が入りにくくなっています。
単一指向性のマイクで、マイクのマークがある方が手前に向けて使用します。
マイクの反対側はこのようになっています。
USBサウンドカードについて
付属のUSBサウンドカードです。PCに接続する際に使用します。PS4ではステレオとして使用するため、サウンドカードは使用できません。
Razerの専用ソフト(Razer Synapse)で詳細な設定ができます。BlackShark V2をUSBサウンドカードを通してPCに接続すると、Razer Synapseに認識されます。
「サウンド」タブでは音量、サウンドプロパティの設定ができます。音量はPCの音量と連動しているため、設定する必要はないと思います。
「ミキサー」タブではヘッドセットを利用するシーンに合わせた設定ができます。音楽を聞くとき、ゲームをするときなど出力されるモードを設定できます。
ゲームはApex LegendsやVALORANT、Hyper Scapeなどのゲーム毎にゲームモード、競技モードなどから設定できます。
「強化」タブでは「低音ブースト」「音の正規化」「音声の明瞭度」「オーディオイコライザー」が設定できます。
「オーディオイコライザー」はアンプのように周波数ごとの音の強さを設定できます。ゲーム、映画、音楽などのデフォルトから選択することもできます。
「マイク」タブではマイクの設定ができます。音量の調整やマイクブースト、マイクイコライザー、サイドトーンの設定が可能です。
Razer Synapseに認識されない場合について
認識されない場合、「バージョンの確認、更新」または「再インストール」することで認識されるようになります。Razer Synapseを開き、右上の「歯車マーク」をクリックします。
「バージョン情報」タブを開き、「更新の確認」をクリックします。更新できるものがあれば、更新が必要です。
更新しても認識されない場合、再インストールが必要です。Razer Synapseをアンインストールしようとすると、下の画像のような画面が出てきます。「修復」をクリックして再インストールします。
スピーカーの設定について
Razer Synapsでは「THX Spetial Audio」を推奨しているようです。しかし、ヘッドセット(BlackShark V2)の説明書には「Razer USB Sound Cardを既定のデフォルトとする。」という記載があります。
どちらが正解かは不明ですが、私の場合は「Razer USB Sound Card」に設定して使用しています。「Razer USB Sound Card」を使用した場合でも、ゲームをプレイした際に銃声の方向が分かり、問題なく使用できました。説明が矛盾している点がモヤモヤするポイントだと感じました。
スペック・素材について
スペックについて
発売日 | 2020/08/18 |
接続方法 | 有線 |
ヘッドフォン | |
密閉型/開放型 | 密閉型 |
ドライバー | Razer™TriForceチタン50mmドライバー |
周波数特性 | 12Hz~28kHz |
感度(1KHz) | 100dBSPL/mW、1KHz |
インピーダンス | 32Ω@1KHz |
イヤーカップ内径 | 65 x 40mm |
ケーブル長 | 1.8m |
重量 | 262g |
楕円形イヤークッション | 通気性に優れたメモリーフォームクッション |
マイク | |
周波数特性 | 100Hz~10KHz |
S/N比 | 60dB |
感度(1KHz) | -43dB V/Pa、1KHz |
集音パターン | 単一指向性 |
イヤーカップ上のコントロール | 音量調整 マイクミュート切り替え |
素材について
イヤーパッド | メモリーフォームクッション (布製メッシュ素材) |
ヘッドパッド | |
ヘッドパッド上部 | PUレザー |
スライダー(サイズ調整部分) | スチール |
イヤーカップ | プラスチック |
各パーツの素材の位置をまとめました。
BlackShark V2 Xとの違いについて
同日に「BlackShark V2 X」が発売されています。価格・ドライバーなどに違いがあるため、表にまとめました。
BlackShark V2 | BlackShark V2 X | |
Amazon価格 | ¥12,980 | ¥7,480 |
ドライバー | Razer™TriForceチタン50mm ドライバー | Razer™TriForce 50mm ドライバー |
イヤーパッド | ソフトなFlowKnit製 メモリーフォームイヤークッション | 通気性に優れた標準 メモリーフォームクッション |
USBサウンドカード | あり | ー |
ケーブル | Razer™SpeedFlexケーブル | 標準ゴム製ケーブル |
重量 | 262g | 240g |
マイク | 着脱可能 | 着脱不可能 |
重量はBlackShark V2 Xの方が軽いですが、BlackShark V2も262gとヘッドセットの中では軽量モデルです。絡まりにくく、引っ掛かりにくい布製のケーブルを使っている点・マイクが取り外せる点があり、上位モデルのBlackShark V2を購入するメリットは大きいと思います。
実際に使用した感想
音質について
「Razerのヘッドセットは低音がかなり強い!」というイメージでしたが、BlackShark V2は「中音・高音も聞き取りやすいヘッドセット」という印象です。今までの商品に比べ、低音重視からバランス型に変わったようなイメージです。低音が強すぎないため、音が響きにくくなったことはメリットだと思います。
FPSで重要な足音が聞き取りやすいように低音は強めですが、全体的にバランスよく聞き取れる印象です。デメリットとして、低音がすこし弱くなることで「迫力が少なくなった」ことがあります。低音を重視する人はKrakenなどの方が向いているかもしれませんが、BlackShark V2は「低音が強いものが苦手」という人にも受け入れやすいヘッドセットだと感じました。
着け心地について
側圧が弱めで軽いヘッドセットなので、長時間ゲームをプレイしても疲れにくいです。3~4時間くらい着けた状態でも耳の周りが痛くなることはありませんでした。4~5時間着けた状態にすると、日によってはヘッドセットを外したあとに、メガネが押し付けられていた感覚がありました(少しメガネの縁が押し付けられていたかな?と感じる程度で痛みはなかった)。
「4~5時間以上続けてゲームをすることが多い!」という人は少ないと思うので、基本的には気にしなくて良いと思います。基本的には側圧が弱いので耳の周りが痛くなりにくいので、メガネをかけていても使用できると思います(私はメガネをかけて使用しています)。
密閉型で布製のイヤーパッド
密閉型のヘッドセットはPUレザー製のイヤーパッドが採用されることが多いです。BlackShark V2は布製のメッシュ素材が採用されているため、「熱がこもりにくい」と感じました。PUレザー製の場合、夏場にエアコンが効いていても汗をかくことが多いですが、BlackShark V2の場合は汗をかくことがありませんでした。
密閉型の没入感を損なわず、通気性が良いため快適に使用できるヘッドセットです。ゲーミングイヤホンなどもありますが、「夏場でもヘッドセットを使いたい!」という人におすすめです。
音楽を聞いた場合
BlackShark V2は高音・中音・低音がバランスよく聞こえるため、音楽鑑賞にも使用できるヘッドホンです。低音が強すぎると「曲の雰囲気を変えてしまう」「ボーカルの声が聞き取りにくい(特に声の高い女性など)」ということが起こります。
BlackShark V2はバランスよく聞こえるので、曲の雰囲気を変えずに視聴できるヘッドセットだと感じました。
PS4でゲームをプレイした場合-APEX Legendsをプレイ-
PS4では付属のUSBサウンドカードが使用できないため、AstroのMixAmpに接続して使用しました。低音が強めのため、足音が聞き取りやすいです。KrakenやThresherよりは低音が抑えられているため響きにくく、クリアに聞こえました。銃声の方向などの定位感が高く、FPSやバトロワに向いているヘッドセットです。マイクに風防がついているため、ボイスチャットの際にも息や雑音が入りにくいです。
PCでゲームをプレイした場合-APEX Legendsをプレイ-
Razer Synapsで「THX 環境モード」に設定してプレイしました。足音や銃声が聞き取りやすく、バトロワで使用できると感じました。ゲーム向けの音の設定は「ゲームモード」「THX 競技モード」「THX 環境モード」から設定できます。音の聞き取りやすさは「個人の好みによる」と思うので、複数から選べる点は良いだと思います。興味があれば、チェックしてみてください。
BlackShark V2 Xに興味がある方は、こちらです。