この記事はドイツのゲーミングデバイスメーカー「ROCCAT」のヘッドセット「ELO X STEREO」のレビュー記事です。ROCCATは2019年にアメリカの「TurtleBeach」(北米の最大手)に買収されました。「ELO(イロ)」シリーズはTurtle Beachの技術を採用しています。着け心地に期待できると思い購入しました。購入前に調べたところ、下記のような情報がありました。
採用されたTurtle Beachの技術
- ProSpecs Glasses Relief System
- イヤーパッドの内側のバンドを引っ張るとメガネのテンプルが当たる部分が凹む。イヤーパッドと頭部に隙間ができることで、メガネのテンプルが頭部に押し付けられることを抑える。
- TruSpeak
- マイクのノイズキャンセリング。
実際に使用してみると、「TruSpeak(ノイズキャンセリング)」は採用されているが、「ProSpecs Glasses Relief System」は形を変えて採用されているようです。
メガネのテンプルの対策は「ProSpecs Glasses Friendly」という技術が採用されています。実際に使用してみて、感じたメリット・デメリットをまとめました。
ELO X STEREOの特徴
- メガネのテンプルが頭に押し付けられにくい
- イヤーカップで音量調整・ミュート切替
- 軽いヘッドセット(295g)
- 約5,500円で買える
- 密閉型
Contents
ELO X STEREOを開封
ELO X STEREOの外箱です。

背面には英語で説明が記載されています。

箱を側面から見た状態です。ヘッドセットを梱包する箱の中でも厚さが小さく(約8cm)、コンパクトな印象です。


箱を上から見た様子です。

右側を見ると、「TURTLE BEACH」と記載されています。「ゲームオーディオのNo.1(TURTLE BEACH)によって調整されたオーディオ」という意味の記載があります。

箱から取り出すと、プラスチックの型に梱包されています。

内容物一覧
中身を取り出した様子です。

内容物を表にまとめました。
製品名 | ELO X STEREO |
Amazon価格 | ¥5,434 |
型番 | ROC-14-120-02 |
ヘッドセット | 295g |
ケーブル(3.5mm4極プラグ) | 1.3m |
PCスプリッターケーブル | 1.0m |
取扱説明書 | 日本語非対応 |
説明書は日本語に対応していません。XBOX ONE、PS4、PCに接続する方法などが図で記載されています。
XBOX ONE、PS4、PS5であれば、コントローラーやアンプなどに3.5mm4極プラグで接続できます。また、アンプなどに接続することも可能です。PCの場合は、「3.5mm4極プラグで接続」・「PCスプリッターを介して接続」の2通りです。

ヘッドセットについて
ヘッドセットのみの重量は295gです。300gを下回っており、重量が軽いヘッドセットです。

ケーブルを含めた重量は309gです。

マイク、ケーブルを含めた重量は319gです。

ケーブルのプラグは3.5mm4極プラグです。PS4やPS5のコントローラー、ミックスアンプなどの接続できます。

イヤーカップは左右に90°回転します。首に掛けた時に横を向いても、イヤーカップが顔に当たらないようになっています。

ケーブルは着脱不可です。マイクは着脱可能なため、ヘッドホンとして使用することもできます。

左のイヤーカップには、音量調整のダイヤル・マイクのミュート切替ボタンがあります。

右側のイヤーカップには何もついていません。

イヤーカップの上部には3つの穴が空いています。穴が空いていることによって低音が抜けやすく、クリアな音質にするためだと考えられます。

イヤーカップは上下に回転します。回転することで頭にフィットしやすくなっています。


イヤーパッドの厚みは約2cmです。ヘッドセットのイヤーパッドは2.5cm以上の商品があるため、イヤーパッドの厚みは薄いほうです。「PROSPECS™ GLASSES FRIENDLY」という技術が採用され、メガネのテンプルが「こめかみ」に押し付けられにくいデザインです。

ドライバーは後頭部に向かって深くなるように、傾斜が付けられています。

ヘッドバンドは金属のフレームとPUレザーのバンドで構成されています。

頭に当たる部分は布製のメッシュ素材です。夏場でも蒸れにくい素材です。ヘッドパッドの厚みは約1.5cmです。ヘッドバンドの調整が柔らかめなので、つぶれる心配は少ないと思います。

ヘッドバンドは自動調整機能がついています。同じように自動で調整できるヘッドセットはワイヤーで調整するものや、スキーゴーグルバンドで調整するものがあります。
「ELO X STEREO」は中にワイヤーが入っていて、表面にはプラスチック素材しか見えないようになっています。プラスチックがスコスコと摩擦が少なく、頭を押し付けることなくヘッドセットを身に着けられます。この調整機能は、「ELO」シリーズの魅力の1つだと思います。

調整部分の根本は独特な形状のデザインです。


着脱可能なマイクの長さは約15cmです。自由に折り曲げ、固定できるタイプです。

マイクは無指向性です。


PCスプリッターについて
PCスプリッターは約1.0mです。PCでヘッドセットを使用する際に使用します。

ヘッドセットの3.5mm4極プラグの差込口です。

先端の端子は分岐しています。マイク端子、ヘッドホン端子に分かれています。

スペック・素材について
スペックについて
発売日 | 2020/10/23 |
接続方法 | 有線 |
ヘッドフォン | |
ドライバー | 50mmネオジム磁石 |
タイプ | 密閉型 |
周波数応答 | 20~20,000Hz |
マイク | |
方式 | 100~10,000Hz |
集音パターン | 無指向性 |
感度 | -40dB |
素材について
実際に使用した感想
着け心地について
重量が295gのため、軽くて疲れにくい印象です。重量が軽いため、4~5時間など長時間ゲームをプレイしても疲れにくいと感じました。側圧は「少し強め」だと感じました。耳の周りが痛くなることはありませんが、長時間使用していると頬の辺りが抑えられている感覚がありました。イヤーパッドが硬めなので潰れすぎず、耳がドライバーに当たることはありませんでした。
メガネのテンプルを押し付けない技術(ProSpecs Glasses Relief System)が採用されています。イヤーパッド自体が硬めのため、効果はあまり感じられませんでした。私の場合、メガネを着用してヘッドセットを使用しますが、テンプルを押し付けられる感覚はありませんでした。しかし、メガネ向けの技術を採用していないヘッドセットとの大きな違いは感じられませんでした。
音楽を聴いた場合
中音~低音が聞き取りやすいと感じました。アーティストの声の高さ、男性・女性、声量などの影響はありますが、バランスよく聞こえると感じました。
しかし、高音が聞き取りにくいことがありました。女性アーティストのサビでキーが高い部分が聞き取りにくいことがあります。キーが高い部分だけ聞き取りにくいことがあるため、音楽にはあまり向いていないと感じました。
PS5で使用した場合-Call of Duty Cold Warをプレイ-
AstroのMixAmpに接続して使用しました。
アンプと組み合わせているため、低音が強く聞こえました。低音が強いため、近くの足音が聞き取りやすいです。FPSやバトロワなどのゲームに向いているヘッドセットだと感じました。50mmのドライバーが採用されているため、低音がしっかり聞こえました。
しかし、デメリットもあります。ケーブルがビニール被覆のため、摩擦を受けやすく洋服や机などに引っ掛かりやすいです。また、見た目が安っぽさを感じてしまう点がビニール被覆のデメリットです。
デメリットはありますが、50mmのドライバーが採用されていて5,000円台で購入できる点が魅力的だと思います。興味があれば、チェックしてみてください。
PCなどUSB接続で7.1chサラウンドに対応した「ELO 7.1」や無線接続の「ELO 7.1 Air」も販売されています。